2015年03月06日
スピーチでの原稿の功罪‐2
こんにちは、高津和彦です。
先週のメルマガで「ぜひ感じたことをお聞かせください」と書いたら、早速、感想を頂きました。
こういうすばやさが、「ベストスピーカー」だなぁ。
ポンポンと言葉のキャッチボールをするという。
それはさておき、非常に良い教訓的エピソードなのでご紹介します。
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僕は前回のメルマガで、スピーチ原稿の功罪について書いた。
原稿を丸ごと読み、丸ごと暗記することの問題点に関する分析。
それに寄せて、まさにぴったりの感想を送ってくれた人がいた。
ある大手企業の広報担当の人からのメッセージ。
*****引用*******
先生のおっしゃること、私も経験があります。
昨日、ある報道機関の報道部長さんとのプライベートな懇親会で。
様々な企業から講師を頼まれることも多い、という話題から「スピーチはお得意でしょう」と言われて。
「いや、それが…。実は今までで一番緊張したのは、2回目の、部下の結婚式の主賓挨拶。
カミカミで、用意した原稿の頭からやり直した」。
なぜ、2回目?
はじめて主賓挨拶をしたときは用意していた原稿を自宅に忘れたので、
「原稿を忘れました」と自白してお話しをはじめ、開き直ったのか、特に緊張もせずに乗り切れた。
そして、その経験から2回目は万全に原稿を用意してそれを読もうと思ってやったら、初めからカミカミだった。
*****引用、ここまで********
なんて符合する話題なんでしょう!
まさに、先週 僕が話したエピソードと同じ本質をついている。
人を前にして、「このことを話そう!」とその場で心に決めると、
思いが口と連動して人に伝えようと考えて話す。
ところが、人を前にして原稿を読んだり、記憶した原稿に思いが行くと、
それに沿って言おうとして脳がそれを辿り、
その場のプレッシャーに負けてしまい再現がカミカミになる。
また、途中で記憶が飛んでしまい原稿が再現されないことも往々にしてある。
僕はそれを、何千という司会で目の当たりに見てきている。
そうなんだ、気持ちが不安定になると情緒不安定になってとちったり、
完璧だった記憶でも一瞬にして飛んでしまうんだ。
教訓:
原稿を書かない、覚えない。自分の"その場の感動"を、自分の"その時の言葉"で伝えよう。
それが人を引き付けるスピーチになるのだ。
posted by パブリックスピーキング・トレーナー高津和彦 at 17:10| パブリックスピーチ
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