こんにちは、高津和彦です。
先日、近辺を散歩中に興味深い光景を見ました。
今回はそれに対する私の問題提起です。
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最近、明治時代の大阪ビジネス界の女傑、広岡浅子に注目が集まっている。
女性でありながら、江戸〜明治の動乱期、婚家の両替商を自らが乗り出し
大きく発展させたという、伝説上の女性実業家だ。
さらにすごいことは、教育にも力を入れ、日本初の女性大学「日本女子大学校」
を創立したことだ。
その4代目校長、井上秀は浅子の追想としてこんなことを述べている。
「浅子は『やめなさい』とは言わずに、『やりなさい』と励ます人だった」と。
この言葉に励まされて、多くの女性が様々な分野で活躍する先駆者となって
いったことは想像に難くない。
これがまさに人を育てる真の教育と言えるだろう。
これと真逆の光景を、先日散歩中に見た。
東京都大田区、池上本門寺の展望台。
10人ほどの園児が見晴らしのよい展望台に上がってきた。
階段の途中から、もう子供の楽しそうな声が、展望台にいる僕の
ところまで聞こえる。
展望台に上がってきて、みんな口々に「すごい〜!気持ちいい〜!」
が、到着するなり、先生鋭く、
「椅子に立っちゃだめ!」
「手すりに上っちゃだめ!」
「走っちゃだめ!」
ダメダメの連発。
子供たち、一瞬にして静かになる。
ちょっと僕がそばで聞いていても、気分消沈。
怪我をさせてはいけない、何か問題があると追及される、
いろいろ理由はあるのだろうが。
だが、果たしてこんなに小さいころから、規制づくめの言動を聞かされて育って、
いざ大人になって、自由な発想で、いろいろ挑戦していく人間になるだろうか?
帰りに道で出会った下校途中の小学生、まるで大人みたいに、静々と友達と
話しながら通り過ぎていった。もう子供の時から"小さな大人"になっている。
すでに。
教育のあり方、環境を考えさせられる事象だった。
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