今回は昨日のニュースについての所感をお話しします。
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昨日、チリで地震が起きた。昼のニュースで知った。
そして日本にも津波が来るかもしれないという。
そこで気象庁担当官の発表。
「ただいま調査をしております。」(正確な文言は失念)
緊張感が全くない。
日本人なら東日本大震災の津波の恐ろしさが脳裡をかすめるだろう。
津波イコール、町を一飲みにする大災害なのだ。
実際はチリ現地でも水位1mの津波が来たそうだ。
ただし日本に津波が到達するのは1日後とのこと。
少しの時間的猶予はある。
それでも。
「全力で今、調査にあたっています!」とか何とか一生懸命やっている、
危険だからと心が焦るような言いようがないのか?
その程度の緊張感、まさに担当官の心を現している。
ま、緊張の無い言葉を発したのは
市民を無意味な緊張に陥れないためだというなら別だが。
もう何年か前になる、ある省庁からの受講者。
その方は鳥インフルエンザの注意報(正式名称は不確か)が発令されるにあたり、
その記者会見に際してのトレーニングでベストスピーカーに来られた。
穏やかな公務員さんという印象がある。
徹底的に指導した。
数日後のテレビニュース、たまたま見たのだが、
「ただいま、鳥インフルエンザ警報が発令されました!」と
バシッと言いきった映像!
今も脳裏に映像が鮮やかだ。
僕は思わず「あ!XXさんだ!」と声を上げた。
それくらいインパクトがあって、信頼性があって、
思わず口に出して叫んだくらいだから。
僕は何も「言い方」だけを教えたのではない。
「言い方は心のあり方を現す」ということを教えたのだ。
彼の言い方はまさに、市民の命を預かる省庁の担当者としての
厳正な言い方であった。
後日、彼からメールが来た。
「言い方が良かったのか、各局のニュースではあの映像が何回も流されました」。
そうだろう、あの言い方は、まさに局が喜ぶ、市民が真剣になる、
国全体がキリッとする言い方だったんだ。
結論:
人はあなたの言い方であなたの心を知る。
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