「高津先生、こういう時どうしたらいいですか?
社内プレゼン、参加者全員が各自のパソコンで資料を見ながらやるんですが
資料を見なくていい時でも、みんな画面から顔を上げてくれないんです」
これは、よく聞く悩み。
プレゼンに限らず、会議でも打合せでも
手元に読む物があれば、人はつい読んでしまう。
読んでいる間、話し手の言葉はほとんど右から左に抜けていく。
結論から先に言うと、僕はこう答えた。
「それは、あなたのパフォーマンス力が足らないからだ。
もっと表現力に磨きをかけなきゃいけない」
そんな無茶な、と思う?
でも、根性論で頑張れと言ってるわけじゃない。
例えば、こういうこと。
あなたがCDで音楽を聴いているとする。
手に歌詞カードを持っていたら、それを見る。
CDプレーヤーやスピーカーの方なんて、見ないだろう。
でも、ライブだったら?
目の前でミュージシャンが歌っていたら?
きっとあなたは、歌詞カードを見ない。
有名アーティストなら注目してあたりまえ?
いや、無名の路上ミュージシャンだって同じだ。
観客に対して熱意のあるパフォーマンスなら、きっと見る。
今ひとつだったら、退屈しのぎに歌詞カードを見るかもしれないが。
プレゼンの話にもどって――
1)画面の資料の説明に終始していなかった?
2)淡々と機械的に話していなかった?
3)「声の表情」に熱意はあった?
ほんとうに聞いてほしいと思ったら、この他にも
資料にないような具体的エピソードやジョークをまじえるなど
アドリブを効かせる工夫も考えられるだろう。
CDとは違う、生きて動いている人間ならではの醍醐味。
それが欠けていたから、誰も顔を上げなかった。
「パフォーマンス力が足らない」と言ったのは、そういう意味だ。
プレゼンは、話の組立てや説明の仕方が上手いだけでは
決してベストにはならないことを、皆さんにも知ってほしい。
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