2014年01月19日

慣れた話の落とし穴

慣れることは、普通ならいいことですよね。
仕事なら早く正確にできるようになるわけだし。

ただ話し方に関していうと、落とし穴に要注意なんです!

なぜか?
それは、自分の話し方を「検証しなくなる」率が高くなるから。

慣れてしまうと、こんな風に話して〜などと考えなくても
スラスラと話せてしまうでしょう?
自分がよく知っていること、何度も人に話したこと、
こういうのは、あまり考えなくてもに言葉が出ます。

でも、もう一度考えてみましょう。

あなたには「いつものこと」でも、相手は初体験かもしれない。
あなたは「何人もにした話」でも、相手は初耳かもしれない。
あなたは「よく使う言葉」でも、相手は知らないかもしれない。

実は相手の頭の中は「?」でいっぱいだったり、
予想外な思い違いをしているかもしれないんです。


事例を1つ。

先日の週末、元受講生のAさんは、K田駅前の
大型ショッピングモール内の催しに販売員として派遣されました。
初日は、派遣元の社員Bさん同行で現地へ行くことに。

Bさんは打ち合わせの時、Aさんに言いました。
「では、9時半にK田のジャスコ側で。」

当日、AさんはK田駅のジャスコがある側の改札口でBさんを
待ちましたが、約束の時間になってもBさんは来ません。
電話をしてみると、Bさんは全く違う場所にいました。

車を使って頻繁にこのショッピングモールに営業に来るBさんにとって、
「K田」と言えばK田駅ではなくK田ショッピングモール。
BさんはAさんに、K田ショッピングモール内のジャスコに近い出入口、
と伝えたつもりでした。

Bさんは、自分が当たり前と思っている言葉を無意識のうちに
省略していたわけです。(本当は、そこが重要だったんですが)


このBさんの例は、ちょっと極端かもしれません。
しかし、この抜かす話し方の怖いところは、
「自分では気づかずに」やっている、ってこと。

日本人は、相手の話がいまいちピンとこなくても「はあ…」と
曖昧にわかったふりをしたり適当に相槌を打ったりします。
「あんたの話はわからない!」とはなかなか言ってくれないんです。

だから、慣れた話ほど、相手にちゃんと伝わる話し方をしているか
何度も検証して下さい。
わからない言い方かもしれない、と自分を疑って下さい。

そして、話の最後には
「僕の説明で、おわかりいただけましたか?
 わからないところは、遠慮なく訊いて下さいね。」

これで、及第点。


さらに言うなら
「では、お会いできるのを楽しみにしています!」
「頑張って、一緒にいい仕事しましょうね!」
相手がちょっとワクワクするこんな言葉を添えられたら
ベストスピーカー免許皆伝です!
タグ:伝え方
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posted by パブリックスピーキング・トレーナー高津和彦 at 00:00| コミュニケーション

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