2014年01月09日

いつまでもひきずらない

ベストスピーカーの高津です。こんにちは。
今日は、最近ベストプレゼンを受講されたある男性のお話。

僕が、初対面のその人と話して感じたのは
まだ若いのに落ち着いた人だなぁ、という印象。

もちろん、老けているのでも暗いのでもない。
おとなしい、というのでもない。

僕もこれまでたくさんの人に出会って、その中には
落ち着きのある人物も大勢います。
たいていは、ある程度の年齢を重ねた経験値の高い人。
自信に裏打ちされた余裕・ゆとりで。

けれど、その人の場合はちょっと違っていた。

その落ち着きはどこからきているんだろう?
そう思っていたら彼の口からこんな話が出ました。

彼の大伯父は画期的な事業で成功を収めた高名な人物で、
その弟にあたる彼の祖父も、同じ事業で富を築いたそうです。
そんな名家に彼は生まれたのですが、子供時代の家庭環境は良くなかった。

小学生の時に彼の母親は家を出て行ってしまった。
彼にも事情は分かっていた。
父の元に残された彼は、荒れた暗い家が嫌でたまらなかった。

そんな事情をサラリと話して、彼はこう言いました。
「だから、学校では極力明るくふるまって生徒会会長に立候補もしました。
でも、まだ自分の中ではその時のことが話し方にも影響していると思うんです。」

それを聞いて、僕は、納得がいきました。
小学生の男の子にとって、どれほど苦しくつらい状況だったでしょう。
普通なら、問題行動を起こしたり、ふさぎこんだりするはず。

でもよく考えると、
彼は、「家が暗かったので、だから、外で明るくしてた」と言った。
普通、「家が暗かった、だから、外でも暗かった」でしょう?

しかし彼にしてみれば、
「だから、明るくしてた」で、
「けれど、明るくしてた」じゃないんだ。
そう。もう、彼は乗り越えているのです。

僕は、彼に言いました。
「君は、すでに『だから』と言っている。
もう悲しい経験には既に打ち勝っているんだ。
もう影なんて、どこにもない。
そんなことを乗り越えてきた、今の自分を誇りに思っていい。
どんどん話せばいいんだよ。
笑い飛ばせるじゃないか!」

「そっかー!」
とたんに、彼の表情が明るくなるのがわかりました。

講座を修了したあと、彼は持ち前の落ち着きに加えて
前に出る強さや、活発さを感じさせる話し方・表情に。
(落ち着きと活発さは、矛盾しません!ハキハキしていて
落ち着いた人、声が小さいのに落ち着きのない人、いるでしょ?)


話し方には、いろいろなものが表れます。
話し手の感情はもちろん、思考回路、聞き手への気持ち、などなど。
そして、全体の雰囲気から意外に多く伝わっているのが
話し手の「心の持ちよう」です。

もしも、つらいこと・悲しいことがあって、話し方にも出ているなーと
感じている人がいたら、僕からの応援メッセージ。

悲しんでいる自分だけじゃなくて、今、何とか頑張っている自分もいる!
ちゃんと見て!
たったそれだけで、あなたの話し方はぐっと明るくなるし、
それが楽しいこと・嬉しいことを引き寄せる力をになるんだ!!

心にも、姿勢があるとするなら。
背筋を伸ばして、胸を張るようにしようよ。
うつむいていると、見えないものがたくさんあるから!
タグ:落ち着き
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posted by パブリックスピーキング・トレーナー高津和彦 at 00:00| 話し方

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